新卒で特許事務所に就職する流れ【メリット・デメリット考察】

新卒で特許事務所に就職するには?

本記事は、特許事務所に勤務した経験がある弁理士が書いています。

新卒で特許事務所に就職するまでの流れを説明しています。

特許事務所に就職するノウハウは、他サイトに書かれていることは少ないので、就活生のみなさんにとって参考になると思います。

特許事務所に就職するか迷っている人のために、新卒で特許事務所に就職するメリット・デメリットも詳しく考察しています。

目次

新卒で特許事務所に就職する流れ

①特許事務所を探す

応募する特許事務所の探し方には2つの方法があります。

  • 方法1:マイナビ・リクナビから応募する

就活生であればマイナビ・リクナビなどのサイトに登録していると思います。

「特許事務所」または「特許業務法人」で検索すると、いくつかの特許事務所がヒットするはずです。

募集要項を見て、気になる案件に応募してみましょう。

  • 方法2:特許事務所のウェブサイトから応募する

マイナビ・リクナビなどに求人を出していない特許事務所もあります。

そういった特許事務所を見つけるには特許事務所のウェブサイトを確認するしかないでしょう。

求人している特許事務所のウェブサイトには募集要項が掲載されています。

新卒採用している事務所と新卒採用していない事務所がありますので、 募集要項の文面をよく確認しましょう。

ここまで聞いて「そもそもどうやって特許事務所のウェブサイトを探すの?」と疑問に思うかもしれませんね。

私が実際に行った、勤務地から絞り込む方法 を紹介しましょう。

まず、Googleマップで希望の地域を表示した状態で「特許事務所」または「特許業務法人」で検索します。

試しに東京・霞が関(特許庁のお膝元)で検索してみた結果が次のとおりです。

赤い吹き出しが特許事務所を示しており、カーソルを合わせて事務所名が表示させます。

表示された事務所名でググるとウェブサイトが見つかります。

ただし、上述したように新卒を募集していなかったり、そもそも募集自体がない特許事務所もあります。

空振りが多くて少し手間がかかりますが、その分、他の就活生が応募しない穴場が見つかるかもしれませんよ。

②エントリー

エントリーは募集要項で指定された手段で行ってください。

おそらく履歴書を送付するか、ウェブ上のフォームに入力するかです。

氏名、学歴……と順に記載していって、手が止まってしまうとすれば「志望動機」でしょうか?

志望動機に何を書いてよいか分からないときには業界研究をするのがオススメです。

自分の考えを言語化するのに役立ちますし、勉強する姿勢をアピールすることもできます。

とは言っても詳しくなる必要はなく、入門書を一冊読むくらいで十分です。

オススメの本を挙げておきます。

楽しく学べる知財」入門

 東京五輪エンブレムなど話題になった事例を交えつつ、知的財産全般を一通り知ることができます。

ロボジョ! 杉本麻衣のパテント・ウォーズ

 小説仕立てで特許の基礎知識を学べます。就活・勉強の息抜きにどうぞ。

③面接・試験

一般的な流れとしてエントリーシートが通過すれば、次は面接です。

特許事務所によっては面接の他に筆記試験が課されることがあります。

私が受けたいくつかの筆記試験では、発明のポイントを把握し、文章で表現する試験でした。

対策として、普段使っている道具(ハサミ、クリップ、安全ピン、缶切りなど)をよく観察してください。

そして、機能を発揮するにはどの部分の構造が必要なのか、その構造を言葉で表現してみてください。

うまくできなくても気にする必要はありません。

ほとんどの就活生になじみのないタイプの問題ですので、高いレベルは要求されないからです。

むしろ問題のタイプを知っておくだけで、他の就活生より一歩リードできたと考えてください。

特許事務所の業務内容

  • 「もう知ってるよ」という方はこの項目を読み飛ばしてください。

メリット・デメリットを考える前に、特許事務所の業務内容をざっくりと解説します。

特許事務所は、特許などの知的財産に関する業務を代行しています。

まず、業務に関係する登場人物の紹介です。

特許事務所には、弁理士資格を持つ弁理士と、補助的な業務を行う補助者と、事務を行う事務員がいます。

もしあなたが特許事務所に入所した場合、最初は補助者として働くことになります。

特許事務所には、お客さん(主にメーカー)から特許出願などの依頼があります。

特許事務所であなた(補助者)は弁理士(上司)の指導監督のもと、依頼案件を担当していくことになります。

あなたはお客さんから発明に関する情報を聞き出し、その情報に基づいて特許出願書類を作成していきます。

業務時間の大半はこの書類作成に費やすことになります。

書類が出来上がったら上司にチェックを受けて、書類を完成させます。

そして、お客さんに書類を送付し、お客さんのチェック結果も反映させて、完成版を特許庁に提出して一段落です。

最初は補助者の立場ですが、実務経験を積んで書類作成能力を身に着け、さらに弁理士資格を取得すれば、お客さんの窓口として一人で仕事を進めていくことができます。

新卒で特許事務所に就職するメリット・デメリット

メリット

では、新卒で特許事務所に就職するメリットを2つ紹介します。

① 若さがアドバンテージになる

知財業界で新人の平均年齢はおそらく30歳過ぎです。

客観的なデータとして、特許事務所勤務の人のほとんどが受験する弁理士試験ですが、合格者平均年齢が38歳程度、平均受験回数が3~4回です。

大雑把に計算すると平均34~35歳で初受験(≒業界新人)と推測できます。

私が見てきた中でも、企業の研究職に何年間か勤めてから特許事務所に転職してくる人は多いです。

つまり、新卒でスタートを切れば数年~10年もリードすることができるのです。

早いうちに一人前になれると、新しいことにチャレンジする時間を多く持つこともできます。

独立開業したり、外国に長期滞在して外国の特許実務を学んだり、知財教育の講師になったり。できることは多岐に亘ります。

この記事を書いている私もブログを通して知財業界を間口を広げる活動を行っています。

② 都市で勤務できる

インターネットなどの発達で生活環境の地域格差は少なくなりましたが、依然として交通機関、施設、人との繋がりなどの点で都市部は地方よりも優れています。

今しかない若い時期をどこで過ごすかはその後の人生に影響しかねないほど重要です。

しかし、新卒でメーカーに就職したとすると、勤務地の予測がつきにくいです。

田舎の営業所かもしれませんし、会社都合の転勤もあり得ます。

一方、特許事務所は、東京・大阪・名古屋などの都市の駅近くに集中しています。

また、複数の支部を持っている巨大な事務所もありますが、基本的には勤務地は1か所。転勤の心配はありません。

「勤務地はどこでもいい」という場合は別ですが、そうでない人には大きなメリットになるでしょう。

デメリット

続いて、新卒で特許事務所に就職する デメリット2つを見ていきましょう。

① 経験の幅が狭くなりがち

特許事務所でずっと働き続けてきた人は、メーカーから特許事務所に転職してきた人に比べて経験の幅が小さくなりがちです。

エンジニアの経験があるなら研究開発の進め方をよく分かっています。

知財部にいたのならライセンス契約・訴訟などを担当する機会があります。

これらの業務は特許事務所ではほとんど行わないか、行ったとしても業務の一部に関与するくらいです。

特許事務所では積めない経験があるのは残念ながら事実です。

しかし、逆に特許事務所にいるからこそ積める経験もあります。

例えば、様々な技術分野の仕事、個人発明家との仕事などです。

また、お客さんや海外の特許事務所との繋がりを利用して、独立開業、海外研修などのチャンスも多いと思います。

つまり、特許事務所でも本人の意欲次第で幅広い経験を積むことは可能です。

② メーカーに転職しにくい

メーカー知財部から特許事務所への転職は比較的簡単ですが、特許事務所からメーカー知財部への転職は難易度が高めです。

就職する前にその点は覚えておいた方が良いと思います。

ただし、特許事務所からメーカー知財部に転職できないことはありません。

現に私もこのパターンで転職していますので、過剰に心配しなくても大丈夫でしょう。

今から弁理士試験の勉強を始める?

「弁理士試験の勉強はもう始めた方がいいの?」という疑問があると思います。

私の考えとしては、基本的に特許事務所への就職が決まるまでは不要です。

就活時期は、弁理士試験の勉強よりも就活、学業に集中した方がよいと思うからです。

ただし、絶対に特許事務所に就職したい人、勉強時間・費用を確保できる人が勉強するのはありです。

面接の場で意欲をアピールする効果は十分にあります。

弁理士試験の勉強するのであれば、予備校・通信講座を利用して短期合格を目指しましょう。

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