【体験談】知財部へ転職は難しい→対策で難易度は下げられます

知財部に転職は難しい?

※このページには広告が含まれます。

この記事は、特許事務所から企業の知財部に転職した弁理士が書いています。

知財部への転職は難しい」とよく言われます。

確かに特許事務所への転職に比べて簡単ではありませんでした。

しかし、エントリー・面接を繰り返すうちに内定が出るようになってきました。

このページでは、私の実体験に基づいて知財部転職の対策を解説します。

無駄な試行錯誤を省くためにぜひ参考にしてみてください。

目次

パターン別の転職難易度

知財部に転職する人には大きく3つのパターンあり、それぞれ転職の難易度が異なります。

3つのパターンを順に見ていきましょう。

知財部から知財部

1つ目はメーカーの知財部から別のメーカーの知財部に転職するパターンです。

会社は違っても同じ知財部なら業務内容に共通部分が多く、比較的転職しやすいです。

ただし、異業種(例えば化学→機械)への転職の場合には難易度は上がります。

「なんで業種変えたの?」と疑問を持たれるので、志望動機をしっかり練っておくことが大切です。

一方、同じ業種への転職は易しいのですが、競合他社への転職の場合には要注意です。

競合他社への転職は法律・倫理上の複雑な問題が絡んできますので、できるだけ避けるのが賢明です。

特許事務所から知財部

特許事務所から知財部の転職となると難易度は上がります。

特許事務所と知財部では業務内容が基本的に異なるため、知財部出身者が優遇されるからです。

特許事務所の業務は、特許明細書などの書類作成が中心です。

一方、知財部の業務は、会社によって様々ですが、発明の発掘、侵害調査、ライセンス交渉、訴訟・・など多岐に亘ります。

このような業務の違いにより特許事務所からの転職は難しくなりますが、逆にキャリアの幅を広げるチャンスでもあります。

以下のように特許事務所出身者が優遇される場合もあるので、そういった求人を狙うのも手でしょう。

  • 知財部内で特許明細書を作成している場合(いわゆる内製)
  • 部員の多様性を確保したい場合

知財未経験から知財部

知財未経験からの転職の場合、知財経験に代わる経験がほしいところです。

例えば、研究職で身に着けた技術知識は大きな武器になります。

会社組織に所属していた経験も少し弱いですが、プラスになります。

実際に私の職場でもメーカー営業職から転職してきた人がいます。

転職難易度は、自身の経験を採用担当者に評価してもらえるか次第です。

もし、知財部への転職が難しそうなら次の選択肢も考えてみてください。

  • 今メーカーに勤務しているなら社内の知財部への異動を希望する
  • 特許事務所で数年経験を積んでから知財部への転職を狙う

知財部への転職が難しい理由

自分の実体験から、知財部への転職を難しくしている理由が分かってきました。

どのような理由があるのかを説明していきます。

求人数の少なさ

知財部の求人は、特許事務所の求人に比べてかなり少ないです。

その証拠にパテントサロンの求人スクエア(知財業界で最も有名な求人欄です)を見てください。

いつ見ても知財部の求人の方が少ないはずです。

知財部の求人が少ないのは

  • 大規模に業務拡大中でない限り知財部の増員は必要ない
  • 欠員が出ても別部署からの異動で間に合わせることが多い

といった理由が考えられます。

知財部出身者の優遇

業務の共通性から知財部出身者が優遇される傾向があります。

特に即戦力を求める企業の場合、知財部での業務経験を必須要件とすることもあります。

知財部出身者以外には厳しい現実ですが、最初は誰でも未経験ですから割り切って、理解のある企業を探しましょう。

転職回数の制限

転職回数に制限を設けている会社もあります。

私が経験した限りでは、名のある大企業にその傾向が強いようです。

知財業界(特に特許事務所)には転職に抵抗がない人が多く、終身雇用制が根強い日本企業と相性がよくありません。

企業としては、社員がすぐに辞めてしまうことを警戒しているのでしょう。

過去に1回でも転職していたらNGという厳しい企業も実際にありました。

知財部への転職に重要な要素

私が転職活動をしていて気づいた、知財部転職に重要な要素を挙げていきます。

年齢

年齢は若いほど有利なのは確かです。

未経験からの転職なら30歳前後までがひとつの目安です。

一方、これまでの知財のキャリアがある方は40代で転職することも十分可能です。

私が知っている例では、特許事務所出身の弁理士や、特許調査会社・調査担当からの転職者がいます。

理系

ほとんどの企業の知財部では特許業務が中心になりますので、理系が有利です。

しかし、文系でも特許事務所や企業で特許業務をしていたのなら、能力的な問題はないはずです。

学歴だけで適正を判断されないように、特許業務の経験をしっかりとアピールしましょう。

特許業務の経験がない文系の場合は、

  • 意匠担当・商標担当などの求人を探す
  • 先に特許事務所で経験を積む

の2つが考えられます。

意匠担当・商標担当の求人数は少ないので、特許事務所に数年勤める方がおすすめです。

英語力

海外に市場がある会社では語学ができると有利です。

外国の特許庁で発行される書類を読んだり、外国の特許事務所とメール・FAXでやり取りしたりするときに必要だからです。

とりあえずは英文を読む能力と、簡単な英文レターを書ける能力があれば事足ります。

TOEIC650点以上など客観的な指標があると評価されやすいでしょう。

弁理士資格・知的財産管理技能士

知財系の資格は、持っていて有利になることはありますが、転職のために取得するほどではありません。

机上の知識よりも実務能力(=会社の利益に貢献する能力)の方が重要だからです。

「弁理士資格と知的財産管理技能士のどちらが有利か」と言った議論を聞きますが、気にする必要はありません。

すでに資格を持っているならそれをアピールすればよく、転職のためにわざわざ資格を取るのはコスパが悪いからです。

知財部への転職を成功させるテクニック5選

実体験から言える、知財部転職で押さえておきたいテクニックを紹介します。

すぐに動く

転職する決心がついているのなら、とにかく即行動しましょう。

同じスペックなら1歳でも若い今が有利だからです。

特許事務所を経由する

知財未経験の場合、知財部への転職は難しくなりがちです。

一方、特許事務所への転職は難易度が低いので、特許事務所で数年経験を積んでおくのも手です。

実際に私も特許事務所を経由して知財部に転職しています。

ポイントは

  • 経験を積むのに時間をかけすぎないこと
  • 成長できる特許事務所を選ぶこと

です。

英語力を磨く

知財実務を身に着けるのに少なくとも数年かかるのに対し、英語力は数か月で集中的に伸ばせます。

特にTOEICは出題パターンが限られているので、対策が難しくありません。

英語力強化はスペックの底上げに最適だと思います。

エントリーしまくる

よい企業に出会うためには数打つことが必要です。

募集要項だけでは伝わらないこともありますので、少しでも気になる求人にはとりあえずエントリーしましょう。

面接・筆記テストなどの経験を多く積んでおけば、本命の会社のときに実力を発揮しやすくなります。

転職エージェントを利用する

数を打つといっても、めぼしい求人を拾っていくのは大変です。

そこで、転職エージェントをぜひ利用してください。

転職エージェントは非公開求人情報を豊富に持っているからです。

しかも転職エージェントは、

  • あなたの希望に合った求人の紹介
  • 面接の日程調整
  • 先方への聞きにくい質問の代行

といったこともしてくれます。

おすすめの転職エージェントは、法律系専門職を扱うリーガルジョブボード(登録無料)です。

リーガルジョブボードなら、一般の転職エージェントよりも豊富な求人、きめ細やかなサポートが期待できるからです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次
閉じる