弁理士試験に受からないのはなぜ?原因と対策を徹底解説

弁理士試験になぜ受からない?

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この記事は、メーカーで働く現役弁理士が書いています。

私自身も弁理士試験を経験しましたし、一緒に勉強してきた受験生たちも見てきました。

短答式、論文式、口述式試験。つまずく試験は人それぞれです(私は論文試験に一度落ちました)。

試験別に原因と対策を徹底解説していきます。

目次

短答式試験に受からない原因と対策

弁理士試験の最初の関門である短答式試験。

出題範囲が広く、基礎問から細かな知識まで問われるのが特徴です。

短答試験に受からない人が陥りがちなパターンを見ていきましょう。

基礎知識が不足している

短答式試験で30点未満しか取れない場合、基礎ができていない可能性が高いです。

覚えていない語句が問題の中に度々登場しているのではないでしょうか?

この状態ではいくら問題を解いても効果は薄いです。

最初に勉強していた入門のテキストまで遡って復習しましょう。

時間がかかり過ぎると思うかもしれませんが、一度勉強したテキストなら1回目よりも早く回せると思います。

演習が足りない

30点以上は取れるが合格点に届かない場合、基礎力はあると思います。

問題演習が足りていないか、復習していないことが原因かもしれません。

演習量の目安は過去問10年分

設問は「5つの選択肢のどれが正しいか?」といった形ですが、設問とは関係なく、各選択肢について〇×を付けてください。

〇×が9割以上分かれば十分合格圏内に到達しています(講師の先生に言われ、実際にそのとおりでした)。

しかし、そこまで仕上げる時間がない場合もあるでしょう。

その場合は無理に10年分を無理にこなすよりも、5年分の完成度を上げることをおすすめします。

短答試験は勉強すればするほど点数を伸ばせますので、試験当日まで諦めないでください!

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極端な不得意科目がある

不得意科目があると、科目ごとの足切り(40%の得点)に引っかかりやすくなります。

特に論文・口述試験の科目になっていない条約、著作権法・不正競争防止法は勉強が手薄になりがちです。

いつも足切りに引っかかるのであれば、科目ごとのテキストや予備校の講座で集中的に学習するのがおすすめです。

短答試験の勉強法をもっと知りたい方は下記の記事をどうぞ。

論文式試験に受からない原因と対策

論文式試験は多くの人にとって最難関の試験です(私も初回はまるで歯が立ちませんでした)。

特許庁から詳細な採点基準が公開されていないだけに勉強しにくい試験でもあります。

まずは、客観的な視点から、つまづいている原因を特定することが大事です。

次に挙げるパターンに当てはまっていないかをチェックしてみてください。

知識の精度が低い

短答式試験は出題範囲が広い一方、〇×が分かればよいわけですからなんとなく知っているだけで合格することもあります。

しかし、論文式試験は正確な知識がないと解くことができません。

「うろ覚えでも法文集があれば問題ない」と考えてしまいがちですが、1問1問法文集で調べている時間はありません。

特許法なら新規性、進歩性、補正、審判請求、補償金請求権、特許権侵害などの頻出問題は条文を見ずに解くくらいの気持ちで準備しましょう。

答案構成ができていない

解答用紙に書き始める前にきちんと答案構成をしていますか?

念のため説明しておきますと、答案構成とは、解答の項目立てや論理の流れを表した下書きのことです。

答案構成をすることで論理的な文章を書くことができ、書き間違いの回数も減ります。

反対に答案構成できていないと、書き直しで時間が足りなくなったり、論理構成が滅茶苦茶になったりします。

事前に自分なりの答案構成のルールを確立しておくことが大切です。

例えば、典型問題(差し止め請求を受けた場合にどう対応するか?)には次のような項目をあらかじめ用意しておきます。

・文言侵害の検討

・均等侵害の検討

・間接侵害の検討

・非侵害の確認(判定、鑑定)

・無効審判の請求

などなど他にも項目はあります。

問題を解くときは、上記の項目を素早く箇条書きして、箇条書きの中からその問題に適した項目だけを拾っていきます。

このように解くことで必要な項目を取りこぼすことがなくなり、機械的かつ高速に答案構成できます。

また、細かいテクニックとして「29条2項」ではなく「29②」と書くといった省略表記のルールも作っておくと、さらに時短になります。

解けているつもりになっている

特許庁が公表している論点をほとんど押さえているのに受からない。

論理的に解答して、結論も正しいのに受からない。

そんな解けているつもりで実は解けていないパターンは意外に多いです。

そんな人は予備校の模試を受けてみるのがおすすめです。

模試では採点基準が細かく公表されていますので、どこで失点しているのかを知ることができます。

また、実際に私がやった方法ですが、勉強仲間と協力してお互いの答案を採点しあうのもよいです。

採点者の立場に立つことで、よい答案・悪い答案というものが分かってきます。

なお、この方法を行う場合は、自分より少し勉強が進んでいる人とペアを組むと効果的です。

論文試験の勉強法をもっと知りたい方は下記の記事をどうぞ。

口述式試験に受からない原因と対策

近年の口述試験の合格率は90%以上であり、論文式試験まで突破した受験生にはそれほど難しくはありません。

しかし、それゆえに油断してしまう、逆にプレッシャーを感じてうまくいかない、という人もいるでしょう。

失敗するパターンには次のものが考えられます。

緊張してしまう

口述式試験には筆記試験とは違った緊張感があります。

極度の緊張の中で次々と出される問題に手際よく答えるのはとても困難です。

実力はあるのに緊張のせいで不合格になってしまうのはもったいないと思います。

対策は場慣れすることが一番でしょう。

まず、資格試験予備校の模試を受けましょう。

その他にも弁理士会の会派が主催する模試も受けられるだけの回数受けてください。

会派は新入会員の呼び込みのために頑張っていますので、論文に合格すると自然に声をかけてもらえると思います。

もし、声がかからないようなら知り合いの弁理士・受験生に尋ねてみてください。

より手軽な方法として勉強仲間と問題を出し合うのも簡単ながら、かなり効果があります。

フレーズ・条文を正確に覚えていない

例えば、発明の定義「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」を瞬時に言えますか?

口述式試験では、他にも一字一句間違えず暗唱しなければならないフレーズがあります。

また、条文をまるまる暗唱しなければならないこともあります。

過去問を研究して、暗唱しなければならないフレーズ・条文を知りましょう。

覚えるときのコツは、声に出して口になじませていくことです。

目で見て覚えるだけでは細かい部分ががつい適当になり、本番でつっかえてしまいます(体験談)。

勉強時間を確保する方法

以上、弁理士試験に受からない原因ごとに対策を説明してきました。

しかし、そもそも必要な勉強時間を確保することが大前提になってきます。

忙しい社会人にとっては大変なことですが、次のように隙間時間を見つけて何とか時間を捻出しましょう。

早朝

早起きした朝の勉強は、出勤時間までに終わらせるという締め切り意識があるので効率的です。

一方、夜遅くまで勉強した場合、「やった感」は得られますが、頭も身体も疲れた状態で実は効率がよくありません。

通勤時間

通勤時間が長いなら有効活用しない手はありません。

電車通勤ならテキストを開いて勉強ができます。

テキストを広げられないほどの満員電車の場合、車通勤の場合は音声で勉強しましょう。

予備校の音声教材を利用するか、なければ条文を読み上げた音声データを作ってみるのもよいと思います。

昼休み

さっさと食事を摂ってしまえば昼休みにも勉強時間を確保できると思います。

同僚の目が気になるなら、場所を変える、音声だけで勉強するなどの工夫をしてみてください。

夕食中

夕食中に勉強するなら音声を聴くか、講義動画を見るかでしょう。

入浴中

入浴が長い人は入浴時間にも音声で勉強しましょう。

私のように烏の行水ならそこまで追い込まなくてもよいと思いますが。

勉強効率を上げる方法

弁理士試験合格までの勉強時間は3000時間が目安です。

例えば1年間の勉強で合格を目指すとなると、月250時間、一日平均で8時間の計算です。

社会人・学生にはほぼ無理ですね……。

2か年計画なら 一日平均4時間ですが、それでもかなりしんどいでしょう。

そうなると、効率的に勉強するほかありません。

おすすめなのは資格試験予備校・通信講座を利用することです。

初心者なら基礎を習得する時間を大幅に短縮できますし、勉強に行き詰っているならその悩みを解決できる講義がきっとあります。

おすすめの予備校は、質の高いオンライン講義を格安で受けられる資格スクエアです。

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