【弁理士試験】短答式試験の勉強法。一発合格の秘訣教えます

短答試験の勉強法

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この記事は、約半年の勉強で弁理士が 弁理士試験・短答式試験に一発合格した書いています。

最終合格でなくても短答試験に合格すると、就職・転職の際に評価されるなどの大きなメリットがあります。

このページでは、短答試験の効率的な勉強法を詳しく解説していきます。

目次

短答式試験の概要

短答式試験は、論文式試験・口述試験へと続く、弁理士試験の最初の関門です。

勉強法を考える前に短答式試験について知っておきましょう。

短答試験の試験科目

短答試験の試験科目は下記の表のとおりで、全部で60問の問題が出されます。

科目ごとに試験を行うのではなく、60問を一気に解くので、それなりのスタミナが必要です。

特許・実用新案法 20問
意匠法 10問
商標法 10問
条約 10問
著作権法及び不正競争防止法 10問

出題範囲について各法の条文はもちろん、審査基準・施行規則・工業所有権逐条解説(青本)・判例・学説からも出題されます。

範囲が膨大なので、全部を丁寧に勉強していてはキリがありません。

短期合格のためには、ポイントを押さえた効率的な勉強法が必要となってきます。

短答試験の出題形式

五枝択一のマークシート方式です。

つまり、5つの選択肢から1つを選択するわけですが、次のようなバリエーションがあります。

  • 5つの枝から正しい枝を選ぶ
  • 5つの枝から誤っている枝を選ぶ
  • 5つの枝のうち、正しい枝の数を選ぶ
  • 5つの枝のうち、誤っている枝の数を選ぶ

特に下2つの「いくつあるか問題」は、5つの枝の正誤が分かって初めて得点になる難易度の高い問題です(まぐれ当たりもありますが・・)。

それだけ正確な知識が求められるということを知っておいてください。

短答試験の試験時間

試験時間は3.5時間です。

60問を3.5時間ということは、1問あたり平均3.5分で解答する必要があります。

本番で息切れしないように60問を一気に解く練習は1回でもやっておいた方がよいです。

逆に普段の勉強は科目ごとに細切れで行ってもOKです(いつもまとまった時間を確保するのは現実的でないと思います)。

短答試験の合格点

特許庁の試験案内によると、短答試験の合格点は次のように規定されています。

総合得点の満点に対して65%の得点を基準として、論文式筆記試験及び口述試験を適正に行う視点から工業所有権審議会が相当と認めた得点以上であること。

引用元:https://www.jpo.go.jp/news/benrishi/shiken-annai.html#nagare02

満点を60点としてボーダーラインの65%は39点です。

短答合格者の人数を調整するために、ボーダーラインは変動することがあるとされています。

しかし、2013年以降はずっと変動がなく39点となっており、しばらくこの傾向が続く可能性は高いでしょう。

ただし、科目別の合格基準を下回る科目が一つもないこと。
なお、科目別合格基準は各科目の満点の40%を原則とする。

引用元:https://www.jpo.go.jp/news/benrishi/shiken-annai.html#nagare02

基準点に加えて、科目ごとの足切りをクリアしなければなりません。

特許・実用新案・意匠・商標の足切りについてはそれほど気にしなくてよいでしょう。

これらの科目は論文試験と口述試験の出題科目でもありますので、しっかりと勉強するのが前提だからです。

一方、条約か、著作権法及び不正競争防止法の足切りに引っかかる受験生は珍しくありません。

私や周りの受験生の経験上、どちらの科目も点数が安定しにくい科目です。

条約は細かく複雑な暗記事項が多い割に配点が10点というコスパの悪さのため、勉強を後回しにしがちです。

逆に著作権法及び不正競争防止法は取っつきやすいだけに、油断しないように注意が必要です。

短答試験の合格率

過去10年間の短答試験合格率の推移を調べました。

2012201320142015201620172018201920202021
合格率(%)26.19.211.814.115.58.920.118.318.211.3

合格率は10~20%付近をかなり大きく変動していることが見てとれます。

上で説明したようにボーダーライン39点が続いていることから、問題の難易度によって合格率が左右されていると考えられます。

短答試験の免除制度

以下に該当すると短答試験が免除になります。

  • 短答式筆記試験合格者
  • 工業所有権に関する科目の単位を修得し大学院を修了した方で、工業所有権審議会の認定を受けた方
  • 特許庁において審判又は審査の事務に5年以上従事した方

ほとんどの方が関係するのはおそらく「短答式筆記試験合格者」だけでしょう。

詳細には短答試験に合格してから2年間免除されると規定されています。

つまり、永久免除ではなく、2年のうちに最終合格できない場合は再び短答試験を受験する必要があります。

短答式試験の勉強法

前置きが少し長くなりしたが、初学者が短期で短答試験に合格するための勉強法を紹介していきます。

入門レベルの勉強

最重要なことを先に言いますと、短答式試験の勉強は過去問をマスターすることがポイントです。

ただし、過去問演習に入る前に基礎を固めることが必要です。

まったくの初心者の場合、まずは予備校の入門講座を受講しましょう。

おすすめの予備校は、高い合格実績を誇るLECか、質の高いオンライン講義を格安で受講できる資格スクエアです。

独学もできなくはないですが、

  • 時間が余計にかかること
  • 間違って覚えてしまうリスクがあること

から(入門段階では特に)おすすめできません。

ただ、どうしても独学したい方のために入門書を紹介しておきます。

弁理士試験 エレメンツ (1) 特許法/実用新案法 第10版 TAC弁理士講座

弁理士試験 エレメンツ (2) 意匠法/商標法 第9版 TAC弁理士講座

弁理士試験 エレメンツ (3) 条約/不正競争防止法/著作権法 第9版 TAC弁理士講座

このエレメンツシリーズは大手予備校TACの講座で使用されているテキストですから、信頼できます。

短答講座で勉強

入門を終えたら短答試験の勉強に入ります。

ただし、過去問に取り組むのは少し辛いと思います。

入門では全体を俯瞰できるように細かな知識を省いて学習しますが、実際の試験ではそれらの知識まで問われるからです。

予備校を利用しているのであれば、短答講座で条文を詳細に学習しながらアウトプットを少しずつ取り入れていきます。

つまり、短答講座は入門講座と過去問の橋渡しになるステップです。

独学の場合はこのステップを踏めないのがデメリットです。

過去問演習

続いて、いよいよ過去問演習に入ります。

いかに早く過去問を始めるかが短期合格のポイントで、受験する年の初めには過去問演習に到達したいところです。

10年分は学習しておきたいので、収録年数の多いLECの過去問集を使いましょう。

2021年版 弁理士試験 体系別短答過去問 特許法・実用新案法・意匠法・商標法 【過去10年分収録】 (弁理士試験シリーズ)
東京リーガルマインドLEC総合研究所弁理士試験部

2021年版 弁理士試験 体系別短答過去問 条約・著作権法・不正競争防止法 【過去10年分収録】 (弁理士試験シリーズ)
東京リーガルマインドLEC総合研究所弁理士試験部

予備校の先生に勧められたおすすめの過去問勉強方法は次のとおりです。

私も実践して半年で一発合格することができた方法です。

①問題を1枝ずつに分け(5枝×60問)、それぞれを正誤判定する。

②答え合わせし、解説を読む。

③間違えた枝と、自身を持って答えられなかった枝に×印をつける。

④×印が付いた枝について①~③を繰り返す。

つまり、間違え続けた枝には×印が2つ、3つ・・と増えていき、何回も復習することになります。

繰り返し復習した結果、9割の枝を正答できれば合格ラインに乗ってきます。

ただし、一度正解した問題でも時間が経つと忘れてしまいますので、正解した問題も時々復習するようにしましょう。

短答模試で力試し

過去問演習に加えて、できれば短答模試を受けて準備を万全にしたいところです。

おすすめは受験者の多いLECの短答模試です。

  • 本番に近い環境で60問を一気に解く練習ができる
  • 予想問題を押さえられる
  • 受験者が多いので、相対的な自分の学力を確認できる

といったメリットがあります。

私の場合、短答模試で30点ほどしか取れなかったことで尻に火が付き、本番までに43点まで伸ばすことができました。

最後まで諦めない

精神論と言われるかもしれませんが、「今年はダメそう・・」と思っても最後まで諦めないことが大切です。

学習効率は、勉強が進むほど高くなっていきます。

初心者の頃の1時間よりも、多くの知識を身につけた試験前日の1時間の方が圧倒的に密度の濃い学習ができます。

ですから、諦めて直前期を無駄に過ごすのはもったいないことです。

仮にその年に合格できなかったとしても、直前期の追い込みは翌年の試験にプラスになると考えてください。

短答試験勉強法のまとめ

  • インプットを素早く終える
  • 過去問を枝ごとに9割正答できるようにする
  • LECの短答模試を受ける
  • 最後まで諦めない
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