知財資格の種類6選。知財部員が薦める本当に役立つおすすめ資格は?

知財の資格6選

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知財の資格に興味のある方。

いろいろと種類があってどれを取得すればよいのか迷っていませんか?

自己研鑽で取得したいのならお好みの資格でよいのですが、実益を重視するなら話は別です。

「資格を就職・転職に役立てたい」

「資格を取って会社からの評価を上げたい」

という方は自分にとって役に立つ資格を狙いましょう。

このページでは知財資格6つについてどのような人におすすめかを解説します。

また、知財資格との相乗効果が期待できる資格も紹介しています。

目次

知財資格の種類6選

弁理士

知財資格の中で知名度No.1は弁理士でしょう。

弁理士とは、知的財産に関する手続きの代理業務を行うために必要な資格です。

特許事務所には欠かせない資格であり、特許事務所志望なら取得は必須と考えてください。

弁理士資格を持っていない所員は弁理士の指揮監督下で働くことはできても、単独で業務を行う権限がありません。

特許事務所で責任のある立場になったり、独立したりするには弁理士になる必要があります。

弁理士試験は合格率数%の難関ですので、勤務時間外の大半を勉強に費やす覚悟が必要です。

弁理士試験の詳細は下記の記事で解説しています。

一方、メーカーの知財部で行う業務には弁理士資格は不要です。

知財部所属の弁理士(いわゆる企業内弁理士)を目指すのであれば資格取得の目的をはっきりさせておきましょう。

企業内弁理士のメリットについては下記の記事で詳しく説明しています。

知的財産管理技能士

知的財産管理技能士試験(知財検定)は、知財を管理する能力を測定する試験です。

弁理士に次いで知名度のある国家試験です。

知財検定は難易度ごとに1~3級に区分されており、新人からベテランまで実力に応じて挑戦することができます。

企業内での知財管理を想定した設問が多く、取得しているのは知財部員が多く、特許事務所所員は少ないと考えられます。

知財専門ではないエンジニアなどが教養として取得している例も見かけます。

注意したいのは弁理士とは異なり、独占業務がない点です。

独占業務とはその資格の保持者のみに許可される業務のことです。

つまり、業務上で知財検定が必須になることはありません。

それでも知財検定を受験するメリットは次のようにいくつかあります。

  • 就職・転職で有利になる
  • 社内で報奨金・昇進の条件になっている場合がある
  • 知的財産管理技能士を名乗れる

特定の会社だけで通用するのではない客観的な知財能力を証明する意味で、知的財産管理技能士は検討するに値する資格でしょう。

知財検定をもっと知りたい方は下記の記事をどうぞ。

知的財産翻訳検定

知的財産翻訳検定は、知財に関する文書を翻訳する能力を測定する試験です。

弁理士試験や知財検定の受験者が数千人であるのに対して、知的財産翻訳検定は毎回150人ほどしか受験しておらず、比較的マイナーな試験と言ってよいでしょう。

しかし、唯一の知財翻訳の試験であり、知財翻訳関係者の間ではそれなりに名が通っている印象です。

知的財産翻訳検定の区分は下記の9つです。

1級/知財法務実務
1級/機械工学
1級/電気・電子工学
1級/化 学
1級/バイオ
2級
3級
中国語
ドイツ語

1~3級は和文英訳(毎年春)、英文和訳(毎年秋)の試験が交互に実施されます。

英語は特許翻訳実務で最も需要が高い言語であり、外国の会社が日本に特許出願する際(いわゆる外内)に英文明細書を和訳する仕事が発生します。

日本企業が英語圏の国に特許出願する際(内外)には、逆に日本語明細書を英訳する必要があります。

英文和訳・和文英訳はともに実務の需要は非常に高いです。

ただし、和文英訳にはネイティブ並みの英語力が要求されますので、初心者は英文和訳のスキルを先に磨くのがよいでしょう。

中国語、ドイツ語は特許翻訳の世界では英語に次いで重要な言語です。

知的財産翻訳検定をもっと知りたい方は下記の記事をどうぞ。

知的財産アナリスト

「知的財産アナリスト」はほとんどの方にとって聞き慣れない名称と思います。

知的財産教育協会によると、知的財産アナリストは以下のように定義されます。

企業経営・ファイナンス・知的財産に関する専門知識を有し、国内外の他社・自社の各種知的財産関連情報の収集・分析・評価・加工、知的財産あるいは企業の価値評価等を通じて、企業の戦略的経営に資する情報を提供できる特殊スキルを持つ職種

このように複数分野の専門性を要しますので、知財または経営のスキルを持った人がステップアップするための資格という位置付けです。

ただし、知的財産アナリストの知名度はそれほど高くなく、現時点では積極的には取得をおすすめしません。

もし取得するなら、世間の評価を得る目的ではなく自己研鑽のためと割り切った方がよいかもしれません。

知的財産アナリストを取得するには、知的財産アナリスト認定講座を受講し、認定試験に合格する必要があります。

認定講座は所定の国家資格(1、2級知的財産管理技能士、弁理士、弁護士、会計士など)を持っっていないと受講できないことに注意してください。

ビジネス著作権検定

ビジネス著作権検定はその名の通り著作権に特化した資格試験です。

広範囲の知財を扱う知財専門職にはあまり向きませんが、著作物に関係する職業の方は教養として取得してもよいかと思います。

デザイナー、作家、音楽家、出版業、広告業などはもちろんですが、多くの職業は多少なりとも著作権に関係していると思います。

身近な例を挙げると、

  • 喫茶店の店主が店内でCDをかける場合、著作権上の問題はあるか?
  • 市役所職員が館内に貼るポスターを作るとき、他人のイラストを使うとどうなるのか?

といった問題があります。

ビジネス著作権検定の区分はBASIC、初級、上級の3つ。どの区分にも受験資格は要りません。

調査業務実施者

調査業務実施者は「特許庁からの調査業務を請け負う登録調査機関の調査業務実施者」と定義されています。

特許調査会社に就職した人(サーチャー)が業務に従事する前に取得するパターンが多いようです。

一方、同じサーチャーでもメーカー知財部で調査業務を行う人には調査業務実施者の取得は不要です。

調査業務実施者になるには独立行政法人工業所有権情報・研修館(経済産業省所管の組織です)が行う研修を受講しなければなりません。

研修は約2か月行われ、2回の筆記試験と2回の面接を含みます。

合格率自体は70%程度と高い水準ですが、受験者には高度な技術知識を持ったベテランのエンジニアが多く、取得はそれほど容易ではありません。

知財資格との相乗効果がある資格3選

グッドサインをする人

番外編として知財資格と併せて取得すると相乗効果が期待できる資格を3つ紹介します。

TOEIC L&R

近年、各企業のグローバル化の影響により、国内出願よりも外国出願の重要度が高まっています。

これからの知財職にとって英語は避けては通れないでしょう。

英語資格の中で日本企業に最も評価されるのはTOEIC Listening & Reading Testです。

目安としては600点がスタートラインで、点数が高ければ高いに越したことはありません。

英検

TOEIC L&Rには、英会話力が図れない、単語数が少なすぎるなどの欠点があり、それを補えるのが英検です。

英検は4技能( Reading, Writing, Listening, Speaking)をバランスよく測定できる点が優れています。

また、級が上がるにつれて文章が高度になりますので、専門的な英文に食らいつく力が身に付きます。

就職・転職でアピールするには準1級以上を目指したいところです。

弁護士

知財訴訟で活躍したい弁理士には、知財専門の弁護士にステップアップする道があります。

弁理士であっても特定侵害訴訟代理業務試験に合格すれば知財訴訟を代理できますが、あくまでも弁護士と共同の場合のみです。

一方、弁護士になると単独で訴訟代理が可能となり、自ら主導権を取って訴訟を進めていくことができます。

弁護士になるには

  • 法科大学院課程を修了し、司法試験に合格すること
  • 司法試験予備試験と司法試験に合格すること

のいずれかが必要です。

言うまでもなく弁護士は難関資格ですので、目指す方は覚悟を持って臨む必要があります。

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