20代弁理士の就職・転職のポイント5選。未経験でも楽々転職できる?

20代弁理士の就職・転職のポイント5選

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この記事は、20代で弁理士になった方やこれから弁理士を目指す方に向けて書いています。

私も20代で弁理士になり、未経験から特許事務所に就職、その後、メーカーの知財部に転職しました。

周りでも20代で弁理士になった人を何人も見てきました。

自身の経験や彼らの話を基に

「20代弁理士の就職・転職は難易度は?」

「実務未経験でもOK?」

といった様々な疑問に答えていきます。

目次

20代弁理士の転職が楽勝な理由4つ

20代弁理士の転職が楽だと言えるのは、次の4つの理由からです。

若いほど長く働けるから

どの職場でも継続的にサービスを提供していくことは重要ですから、様々な世代のメンバーを集めています。

長く勤務してくれると期待できる若年層の人気はとりわけ高いです。

知財業界人の平均年齢ははっきりと分かりませんが、弁理士に限れば平均年齢は50歳を超えています。

個人的経験から言っても30代までは若手のカテゴリーに入れられるイメージです。

その中で20代弁理士は一際目を引きます。

一方で若い社員はすぐに退職する人が多いことが懸念されます。

しかし、弁理士資格を持っている人を雇えば、少なくとも異業種に転職するリスクはほとんどないと言えます。

20代という若さでありながら知財業界に骨を埋める覚悟ができているのが、応募先から見た20代弁理士の魅力です。

知財法を教える手間が省けるから

未経験者を採用すると、職場で知財法と実務の両方を採用者に教育する必要があります。

法律的な考え方や、発明を抽出したり、出願書類を作成したりする独特な技能をゼロから教えるのは非常に根気が要ります。

しかも知財の職場は比較的少人数で構成され、教育が十分にシステム化されていないのが普通です。

一通りの業務に習熟するには年単位の訓練を受けることになります。

しかし、新人弁理士に対しては教育をかなり簡略化できます。

弁理士であれば実務未経験だとしても知財法の知識をすでに持っているからです。

必要なのは実務の教育のみですので、職場からすると教育コストをその分軽減できます。

ベテランに比べてクセが少ないから

即戦力を求める求人では、求職者に数年かそれ以上の実務経験を求めます。

20代弁理士は実務未経験か、短い実務経験しか持たないことがほとんどで、このような応募先のニーズを満たすのは難しいでしょう。

一方、新人を育てていくつもりの応募先なら実務経験は問われません。

むしろ、実務経験が豊富でも変なクセが付いていたり、前の職場のルールを持ち込むような人は避けられます。

実務の様々な状況において考え方は人それぞれ、会社それぞれですが、ベテランになるほど自分の経験に基づいた思考に囚われやすくなります。

20代弁理士にはそのようなクセがついておらず、柔軟性が高い傾向にあるため、歓迎する職場は多いでしょう。

20代弁理士は希少だから

以上のように就職の場で重宝される20代弁理士ですが、需要に対して供給が少ないこともポイントです。

日本弁理士会の統計によると、20代弁理士は全体のわずか0.5%(59人)です(2022年1月)。

40歳未満でようやく10%を超える程度で、50歳前後がボリュームゾーンとなっています。

転職市場にいる20代となるともっと人数は少なく、20代弁理士同士でイスを奪い合うことはまずないでしょう。

20代弁理士の就職・転職のポイント5選

提案をする人

20代弁理士の就職・転職が楽だと言っても、ポイントを押さえて取り組むことが重要です。

よく考えずに活動してしまうと、就職後に後悔することになりかねません。

ここからは就職・転職を成功させるポイントを説明していきます。

職場の種類(特許事務所、知財部)を知る

弁理士の主な就職先は特許事務所メーカー知財部です。

知財部に勤務する企業内弁理士が近年増えてきていますが、現在でも特許事務所が一番人気です。

特許事務所と知財部の大きな違いのひとつが仕事内容です。

特許事務所ではクライアントの出願業務などを代理する弁理士業務(代理業務)を行います。

知財部では代理業務ではなく、自社の出願、知財管理、知財活用などの業務です。

給料体系も異なり、特許事務所は歩合制、知財部は固定給が一般的です。

特許事務所の弁理士は自分の努力次第で年収を伸ばしていけますが、不安定な一面があります。

一方、知財部では安定した年収が得られますが、社内基準で年収が算定されるため、短期間のうちに飛躍的に増加させる難しいでしょう。

両者の違いについて詳細を知りたい方は下記の記事をどうぞ。

10年後、20年後の自分の姿を想像する

いま20代ならこれから少なくとも30年は働く計算になります。

就職先を決める際には10年後、20年後を見据えたキャリアプランを考えておきましょう。

遠い未来を想像するのは難しく、途中で計画が変わる可能性もあります。

それでも就職後に明確な目標を持って働くことで、漫然と働くだけの人とは大きく差がつきます。

無数にあるキャリアプランのうち、ここでは典型的なパターン4つについて説明します。

特許事務所に就職 → パートナー(共同経営者)に昇進

特許事務所に就職して出世を目指すパターンです。

パートナーの人数は限られますから、事務所の規模、メンバー構成などに実現可能性が左右されます。

例えば、ベテラン弁理士が大勢所属している事務所では難易度が高くなります。

特許事務所に就職 → 独立して特許事務所を開設

特許事務所で経験を積んだ後に、独立する弁理士もいます。

独立する際にいかに仕事を確保できるかがポイントです。

担当クライアントを引き連れて独立するのは、諸問題があり、あまり現実的ではありません。

新規クライアントを開拓するか、他の特許事務所の下請けをするか(単価は安くなります)を考えていく必要があります。

このように課題は多い一方で軌道に乗れば金銭的なリターンが大きく、自由に働けるようになるのが独立するメリットです。

知財部に就職 → (特許事務所に転職)

知財部に就職した人は定年まで勤め上げるケースが多いですが、中には特許事務所に転職する人もいます。

努力が給料に反映されないのが不満、個人プレーの仕事をしたいなど理由は人それぞれです。

知財部と特許事務所の違いを知識として知っていたとしても、実際働いてみると新たに見えてくるものがあり、転職を決意するようになるのでしょう。

最初から転職ありきというよりも転職を視野に入れるくらいの心構えでよいと思います。

なお、逆に特許事務所から知財部に転職するのは転職難易度が高くなりますので、積極的にはおすすめしません。

知財部に就職 → 独立して特許事務所を開設

知財部から独立する際には元の会社から仕事を受任しやすいのがメリットです。

知財部在籍中に周りとよい関係を築くことに気を付けたいところです。

成長できる職場を選ぶ

就職先を選ぶときに待遇などに目が行きがちかもしれませんが、特に若い弁理士には成長できる環境も重要です。

今の段階で、将来の転職や独立を考えていなくても、選択肢を広げるためにスキルが身に付く職場をおすすめします。

知財業界は転職がさかんですので、将来的にあなたが転職しようと考える可能性はそれなりにあると思います。

成長できる環境を見極めるには、

  • 教育はどのようになっているのか
  • 様々な種類の業務を経験するチャンスはあるのか

といった点を採用面接で質問してみてください。

最後は自分の直感を信じる

上司、先輩になるであろう人達と面接する機会があると思いますが、彼らと職場で一緒に働いている姿をイメージをしてみてください。

ポジティブなイメージができればいいのですが、違和感があるのならその感覚は大事にした方がよいと思います。

違和感があるということは、実際に見た職場の雰囲気や面接官の態度など、何かしら心に引っかかっているはずです。

経験上、最初に感じた引っかかりは就職後にも続きます。

内定を受諾するか否かの場面で迷ったら、最後は自分の直感を信じましょう。

転職エージェントを使う

ここまで就職先の選び方の観点で説明してきましたが、最後に探し方のポイントです。

よい求人を効率的に探すには転職エージェントの利用がおすすめです。

詳しくは下記の記事で説明しています。

20代弁理士を目指す方へ

これから20代弁理士を目指す、またはすでに目指している方もいると思います。

社会人の場合は働きながらの勉強、学生の場合は学校の勉強との両立が必要となってきます。

弁理士試験の勉強方法について下記の記事で説明してます。

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