あなたは研究職に就いた動機は何ですか?
「もともと研究者になりたくて理系学部に入ったから」
「気が付いたら研究職以外に選択肢がなかったから」
など答えは人それぞれだと思います。
しかし、研究職は専門的で忍耐が要求される職業ですので、強い動機を持っている人であってもつらいと感じてしまうことがあるのではないでしょうか?
そのつらさを解消する方法を説明していきます。
研究職がつらい理由4つとその解消法

仕事が辛いとすぐに退職を考えてしまう方もいるかもしれませんが、早まってはいけません。
少し冷静になって、つらいと感じる理由を理解し、辞めなくても解消できる理由なのかを見極めるのが先です。
以下では、考えられる理由をひとつひとつ挙げ、それぞれの解消法を説明していきます。
仕事が詰まらない
学生の研究と違い、民間企業はあくまでも利益優先ですので、学問的に面白くない仕事も多いです。
また、興味がない部署に配属されてしまった不運な方もいるかもしれません。
異動がない限り、仕事には今後何十年も取り組むことになりますので、それが詰まらないのは問題です。
解消法① 仕事の中に楽しみを見出す
退屈に思える仕事にも何か楽しめる部分が見つかれば、つらさは軽減されます。
例えば、作業自体が詰まらなくても、ゲーム感覚で作業時間の短縮化を図ってみたり、効率化のためのツールを作ったりなど、意外と面白いのではないでしょうか?
解消法② 異動希望を出す
社内で他に行きたい部署があるなら異動希望を出す方法があります。
研究開発系の部署でもよいですし、その他の部署もよいでしょう。
ひとつの仕事を極めるのは素晴らしいですが、様々な仕事を試して経験の幅を広げることも大切です。
会社によってはジョブローテーションで積極的に定期的な配置換えを行っているところもあります。
解消法③ 仕事は楽しくないものと割り切る
他に不満がないのなら、詰まらないというのは贅沢な悩みかもしれません。
仕事は仕事として割り切って、家族・友人と過ごす時間や趣味を楽しみする考え方もありです。
日本社会では仕事中心の生活を送る人が大勢いますが、近年、その傾向が変わってきており、ワークライフバランスが重視されるようになってきました。
社員の過労働を厳しく規制する動きも強まってきています。
ブラック企業で働いているのでなければ私生活を充実させるのはそれほど難しくはないでしょう。
研究成果が出ない
研究成果が出ないと言っても状況は人それぞれと思います。
難しいテーマ、時間のかかるテーマに取り組んでいるのであれば、焦らずに長い目で見てもよいかもしれません。
一方、期待されるレベルを達成できていないのなら何らかの対策が必要になるでしょう。
解消法 – チェックリストを使う
研究が滞る原因にはいくつかの類型があります。
チェックリストの形式で挙げますので、心当たりのある項目を潰していきましょう。
- 研究の目的を見失っていないか?
目先の状況に振り回されて当初の目的からズレた方向に進んでいないでしょうか?
また、余計なこだわりのせいで遠回りしていないでしょうか?
初心に返って研究の目的を確認しましょう。
目的を声に出して読む、見える場所に張り付けておくなど、忘れないような工夫もおすすめです。
- 研究時間を確保できているか?
研究職は研究だけしていればよいわけではなく、定例会議、5S活動、各種講習など研究以外も業務も多いと思います。
業務日報を見直し、研究時間をしっかりと確保できているのかを調べてみましょう。
もし他の業務に忙殺されているのであれば、余計な会議には出ない、手が空いている人に仕事を回すなどの対策を考えてみてください。
- PDCAサイクルを高速で回せているか?
PDCAサイクルはPlan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)からなる業務管理法です。
知っているという方もいると思いますが、実践できていますか?
事前に100%完璧に準備するよりも、とりあえずトライし、振り返って改善を重ねていくことが重要です。
PDCAサイクルを高速で回すことで、それだけ最適解に早く近づくことができます。
- 上司に報連相できているか?
適切なタイミングで上司に中間報告したり、相談したりできているでしょうか?
一人で抱え込んでしまうのは責任感の強い人にありがちな傾向です。
部下の業務を管理することは上司の仕事ですので、遠慮せずに密にコミュニケーションを取りましょう。
有用なフィードバックが得られるかもしれませんし、情報を共有することで心の負担を軽くする作用もあります。
また、上司だけでなく、同僚からの第三者的な意見が突破口になる場合もあります。
- そもそもテーマは達成可能か?
どうしても行き詰まりを解消できない場合、そもそもテーマが達成可能なのかという疑いが生じてきます。
テーマ自体の達成の見込みが薄いか、現時点でのあなたの実力に見合わないような場合、そのまま続けても良い結果にはならないでしょう。
白旗を挙げるのは勇気を要りますが、メンタルがやられる前に見切りをつけることで長期的にはプラスになることも多いです。
人間関係に悩みがある
人間関係は、研究職に限らず最もありふれた悩みです。
特に少人数と密な関係を持つような職場では人間関係は悪化しやすくなります。
解消法
分かり合えない相手はどこにでもいますので、そのような人と必要以上に接触しないようにするのが穏やかな解決策です。
距離を取ることが難しい相手(直属の上司など)の場合は、第三者か会社の窓口に相談して間に入ってもらうのがよいでしょう。
当事者同士で解決しようとすると、かえってこじれるおそれがあります。
激務すぎる
近年では労働基準監督署の目が厳しく、激務を課す職場は減ってきているはずです。
しかし、人手不足な業界で忙しく働いている方もいるでしょう。
また、法令を守らないブラック企業があるのも残念ながら事実です。
度を越した激務はプライベートを侵食し、仕事の質も下がり、マイナスでしかありません。
激務を解消する2つの方法を説明します。
解消法① 業務効率化を図る
頻度の高い業務については作業手順の短縮化を検討することをおすすめします。
例えば、パソコンで行う業務では補助ツールやショートカットキーの活用などがあり得ます。
小さな短縮でも積もり積もって大きな差が生まれます。
また、会議時間を短縮したいのなら主催者が事前準備を入念に行うのが効果的です。
主催者にリクエストするか、部内でルール化するように提案するのがよいと思います。
解消法② ワークシェアする
手が空いている人がいて、任せられる仕事があるなら迷わず任せましょう。
何でも自分でやってしまうタイプの人は「自分でやった方が早い」と言いますが、それでも任せるべきです。
引継ぎ作業に時間がかかったとしても、一度任せられるようになれば、その後のリターンが大きいからです。
つらさを解消できない場合 → 転職の検討



以上、研究職のつらさ解消法を説明しましたが、今の会社で解消不可能な場合には転職が視野にはいってきます。
転職の決心がついていなくても、とりあえず転職サイトに登録をしてみるのもありです。
自分の市場価値を知ることで、今後の活動の参考になると思います。
研究職という仕事自体に問題を感じていないのであれば同じ職種で探すのがよいですが、そうでない場合は別の職種をおすすめします。
所属する会社が変わっても同じ職種では根本的な解消にならないからです。
あなたのこれまでの経験が活きる職種のひとつとして、弁理士という仕事があります。
弁理士は、特許出願書類の作成など、知的財産に関する業務を行う専門家です。
科学知識を存分に活かせる仕事ですので、研究開発の経験者にとって参入しやすいのではないでしょうか?
実際、研究職から弁理士になったという人は大勢います。
弁理士について詳しく知りたい方は下記の記事をどうぞ。


