特許事務所の職場環境。転職で絶対押さえたいチェックポイント8選

特許事務所の職場環境

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特許事務所への転職を考えている方へ。

起きている時間の大半を過ごす職場の環境はとても重要です。

しかし、どのような基準で職場環境を見定めればよいのでしょうか?

特許事務所は特殊な職場ですので、外部の人には良し悪しが分かりにくいと思います。

このページでは、特許事務所に5年間勤めた弁理士が、特許事務所の職場環境のチェックポイントを解説します。

目次

特許事務所の職場環境のチェックポイント8選

様々な観点から、特許事務所を選ぶときに絶対に押さえたい8つのチェックポイントを紹介します。

物理的な職場環境

物理的な職場環境

通勤・出張時のアクセス性はよいか?

自宅から通勤するとき、職場から客先に出張するときのアクセス性は重要です。

まず、利便性の観点から交通手段は電車を想定してください。

チェックしたいのは次の2点です。

  • 駅から近いこと
  • 特許事務所の最寄り駅から客先の最寄り駅まで行きやすいこと

ここで客先の最寄り駅をどう知るかですが、特許事務所が代理している特許出願を検索することで分かります。

特許庁のJ-Plat Patというサイトを開き、検索項目「代理人」を選択し、事務所名を入力して検索したとき、ヒットした文献の出願人が顧客です。

おそらく多数の顧客が見つかりますので、主だった数社をピックアップします。

後はマップで顧客(会社)の位置を調べることで最寄り駅を知ることができます。

もし、顧客を絞り切れないなどの理由で上記の方法で分からない場合は、素直に採用面接で質問してみてください。

特許事務所の採用担当者は、あなたを採用した場合にどの顧客を割り振るかを考えているはずなので、明確な答えが返ってくるでしょう。

移動時間の長さは生産性に直結しますので、アクセス性は大事にしたいところです。

デスク周りは集中できる環境か?

特許事務所での仕事は、特許明細書などの書類作成が中心です。

デスクで作業する時間が長くなりますので、デスク周りは静かな環境が望ましいです。

ガヤガヤした場所でも集中できる人や、少しの話声も気になる人など適応できる環境には個人差があると思います。

あなたが音を気にするタイプならば、デスク周りの環境には注意する必要があるでしょう。

そうは言っても基本的に特許事務所は静かな環境です。

気が散らないようにデスクの周囲はパーテーションで囲われている事務所が多いです。

しかし、打ち合わせ場所がデスクの近くにあったり、事務員同士が業務伝達する声が聞こえやすかったりといった問題はあり得ます。

あなたが許容できるレベルになのかをチェックする必要があります。

デスク周りの環境を知るには、

  • 事務所ホームページで掲載写真を見る
  • 採用面接で質問する
  • 執務室を少し見せてもらう(こちらからは要求しにくいが)

といった手段が有効です。

働いてみないと実際の環境は分からないかもしれませんが、可能な範囲で情報を入手して判断しましょう。

リモート環境が整っているか?

コロナ以降、世間ではリモートワークが推進されていますが、特許事務所も例外ではありません。

リモートワークしやすい環境かどうかは作業効率の観点から重要です。

  • リモートワークが許可されるための条件(頻度など)
  • リモート時での事務所サーバーへのアクセスのしやすさ
  • リモート時での他の所員との連絡の取りやすさ

などの点を質問してみてください。

人間的な職場環境

人間的な職場環境

所長の人柄はよいか?

職場の雰囲気は所長の人柄に大きく左右されます。

特許事務所は規模的にはせいぜい中小企業クラスですので、トップの影響力が隅々まで及ぶためです。

特に小さな特許事務所では、すべての所員が所長から直接指導を受けている場合もあります。

所長に関する情報をチェックするには、まず事務所のホームページを覗いてみてください。

所長の顔写真と経歴はもちろんですが、「代表からのメッセージ」のようなタイトルで所長の言葉を掲載していることが多いです。

中にはクセのあるメッセージを出している所長を見かけます(数人規模の事務所でその傾向が強いです)。

クセが強いのが悪いと言うわけではなく、自分が共感できるか/合わないと思うかが重要です。

逆に定型文のようなメッセージの場合、所長の本心が読み取りにくいです。

所長自身が書いた文章でない可能性もあります。

しかし、メッセージには、所長が他人からどのように見られたがっているかが表れるものですので、一読しておいて損はありません。

より確実に所長のことを知るには採用面接を活用できます。

面接時では受け答えに必死になりがちですが、少し引いた視点から相手を観察できれば、何気ない態度や仕草から様々な情報が得られるはずです。

直属の上司はどんな人か?

所長から直接指導を受ける場合を除き、直属の上司の存在も重要です。

特に未経験で入所した場合、上司から受ける影響はかなり大きなものになります。

採用面接で経営陣以外の人が出席していれば、その人が上司になる可能性が高いです。

誰が上司なのか判断できない場合は質問してみましょう。

労働条件的な職場環境

給料袋に入ったお金

待遇に納得できるか?

年収などの待遇をチェックするのは当然と思うかもしれませんが、特許事務所ならではの事情があるので、解説します。

特許事務所では歩合制(つまり自分の売り上げに応じて給料が決まる)を採用していることが多いです。

1年目の新人が十分な売り上げを出すのは大変なため、セーフティネットとして最低保障額を決めている事務所もあります。

実力主義のため、入所数年後には年収の個人差が大きくなりますが、目安の金額は質問すれば答えてもらえると思います。

なお、所員のモデル年収が募集要項に開示されている場合には、そちらを参考にしてください。

福利厚生は必要十分か?

比較的規模が大きい特許事務所では福利厚生が充実している場合があります。

例えば、所員旅行、宴会などのイベント、人間ドックなどがあります。

福利厚生は充実していればいるほどよいと思いがちですが、自分にとって不要な内容ばかりならば少し考えものです。

福利厚生にかかる費用は結局のところ、所員の売り上げから捻出されているわけですから、メリットを感じない福利厚生は損とも言えます。

特に職場内での人付き合いが得意ではない方は、イベントが頻繁にあるのかどうかもチェックポイントでしょう。

ただ、特許事務所での日常業務は個人作業がほとんどですから、リフレッシュできる機会を持った方が仕事にもプラスだと思います。

各世代の所員がバランスよく在籍しているか?

事務所のホームページに所員のリストが公開されている場合は、各世代の所員がバランスよく在籍しているかをチェックしましょう。

「世代」ではなく、知財歴と言った方が正確なのですが、要は新人・中堅・ベテラン・経営者の割合です。

特定の世代が稼ぎやすい制度の事務所では、他の世代の離職率が高くなっていることがあります。

その結果、世代間の人数に偏りが生じてしまいます。

偏りによって残った人達に業務上のしわ寄せが来ますので、長期的に見ると誰にとってもよい結果にはなりません。

このようなバランスの悪い特許事務所は避けるのが得策でしょう。

明確な人数の判断基準はありませんので、おおよそのバランスが取れていれば十分です。

特許事務所の探し方

以上、8つのチェックポイントを説明してきましたが、現実には1件1件の求人を精査するのは時間的に厳しいと思います。

そこで、効率的に特許事務所を探すために転職エージェントの利用がおすすめです。

あなたの経歴・希望に合わせて転職エージェントに候補を見繕ってもらえるため、かなりの労力を削減できます。

転職エージェントは特許事務所側ともコミュニケーションを取っていますので、公開されていない情報が入手できる可能性があります。

さらに事務所に直接しにくい質問や希望を伝えてもらえるメリットもあります。

転職エージェントの詳細については下記の記事をどうぞ。

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