【悲報】「特許事務所はやめとけ」って本当？５つの理由を解説

「特許事務所はやめとけ」と言われる５つの理由

「特許事務所はやめとけ」と言っている人は、おそらく実際に特許事務所への勤務経験があるのでしょう。

外部の人には特許事務所がどのような職場なのかがよく分からないからです。

特許事務所の所員が抱きがちな不満に基づいて「やめとけ」の５つの理由を説明していきます。

年収が低い

特許事務所は実力次第で年収を伸ばせる職場です。

経験を積めば年収1000万円も夢ではなく、さらにパートナー（共同経営者）になったり、独立開業すれば年収は青天井です。

その一方で年収に不満を持つ所員がいるのも事実です。

年収が低くなるパターンには次の２つがあります。

仕事の単価が低い

特許事務所とクライアントの間には料金表があり、料金表にしたがって事務所の報酬額が決まります。

特許事務所が用意したデフォルトの料金表を適用する場合と、クライアントごとに別々の料金表を使う場合があります。

料金表が格安になる原因は、特許事務所が薄利多売の方針をとっているか、クライアントに買い叩かれているかが考えられます。

格安の料金表のせいで仕事の単価が低い場合、頑張った割には年収が伸びません。

自分の取り分が少ない

特許事務所は成果主義と採っていることが多く、売り上げの30～40%ほどが自分の報酬となります。

多額の経費がかかっている（多くの事務員を抱えている、オフィスの賃料が高いなど）特許事務所では、歩合率が低くなりがちです。

また、普通は新人・中堅・ベテランの間で歩合率に傾斜が設けられていますが、ベテランを優遇する事務所では新人のうちは年収を上げるのが厳しいです。

激務すぎる

仕事量も特許事務所それぞれ、人それぞれです。

特許事務所としてはクライアントからの依頼を断るわけにはいきませんから、必然的にその負担は所員にかかってきます。

クライアントの決算月は特に期限が集中しやすく、繁忙期です。

個人的な経験から言っても、同じ特許事務所内でも夜遅くまで働いている人、悠々と定時退社する人など忙しさは様々でした。

固定給の特許事務所で厳しいノルマが課せられるようなパターンもあります。

作業が単調で孤独

特許事務所で働く人は、勤務時間の大半を文書作成に費やしています。

クライアントに原稿を納めるまで、基本的には一人で完結させる仕事です、。

もともと個人作業が好きでない人、向いている仕事だと思っていたけれどイメージと違った人は、特許事務所の仕事に退屈さや孤独を感じやすいようです。

変な同僚・上司がいる

特許事務所には良くも悪くも色々なタイプの人が集まってきます。

新卒で特許事務所に就職する人は少数派で、メーカーやサービス業から転職してきた人、フリーターだった人など経歴は千差万別です。

もちろん特許事務所にも優秀な人や人格者は大勢いますが、残念ながら変な人（一般の会社で通用しないタイプ・・）との遭遇率が高い気がします。

特許事務所では個人プレーの要素が強いとは言え、周囲とコミュニケーションを取る機会も当然あります。

どんな職場でも同じですが、仕事上の悩みと言えば人間関係を挙げる人は多いでしょう。

クライアントからの圧力

クライアントから原稿のクオリティ、納期、料金などについてクレームが入ることがあります。

原稿のクオリティをうるさく言われるかは、クライアント自身というよりも先方の担当者次第でしょうか。

ほとんど何も言わない担当者もいれば、細かく指摘してくる担当者もいます。

クセの強い担当者に当たると、要求に応えるのになかなか骨が折れます。

納期については時間的に無理ものは無理なので、常識的な範囲内での対応にはなるでしょう。

ただし、クライアントの決算月などには休日出勤をせざるを得ないこともあります。

料金のクレームは要するに値下げ交渉ですが、要求を飲むかどうかは基本的に事務所の方針次第でしょう。

なお、クライアントに対して強気な特許事務所が値上げ交渉を持ちかけるケースもあります。

特許事務所に勤めるメリット

以上、「特許事務所はやめとけ」の理由を紹介しましたが、特許事務所に勤めるメリットもたくさんあります。

私が特許事務所に勤めてよかったと思ったポイントを挙げていきましょう。

働き方の自由度が高い

経験から言えることとして特許事務所は勤務時間、服装、テレワークなどの点で一般企業よりも自由に働けます。

• 勤務時間

特に成果主義の特許事務所は、フレックスタイム制を採用していることが多いです。

自分でスケジュール管理さえしていれば、有給休暇も取りやすいです。

• 服装

クライアントと会う日以外はカジュアルな服装でOKな事務所は多いです。

個人的にはスーツよりもラフな恰好の方が作業に集中できるので、ありがたかったです。

• テレワーク

デスクワーク中心なのでテレワークがしやすいのもメリットです。

新型コロナ対策としてはもちろん、家庭の事情などでテレワークができる特許事務所もあります。

頑張った分の見返りがある

成果主義の特許事務所なら頑張った分だけ給料はアップします。

バリバリ働いて年収を伸ばしたい人、ライフワークバランスを取りながらマイペースに働きたい人には大きなメリットです。

勤務地が都会で転勤の心配なし

特許事務所は東京、大阪、名古屋などの大都市を中心に分布しています。

また、電車で客先まで出張できるように駅に近い特許事務所が多いです。

一方、メーカーに勤めると、勤務地が交通の不便な田舎だったり、転勤の心配があったりします。

多種多様な技術に触れられる

特許事務所の所員は、基本的には複数のクライアントの仕事を担当しています。

事務所によっては技術分野の垣根を越えて様々な技術に触れ、幅広い経験を積む機会があります。

私自身、もともとの専門以外で興味の持てる分野が見つかり、仕事の幅が広がりました。

ホワイト特許事務所の選び方

「特許事務所はやめとけ」と言っても、結局は個々の特許事務所の性格に因ります。

単に自分と特許事務所の相性が悪かっただけのパターンも多いです。

一概に「特許事務所はやめとけ」と言うのは正しくないと思います。

ただ、世の中には明らかなブラック特許事務所もありますので、注意が必要です。

ブラック特許事務所を避け、自分に合った特許事務所を選ぶ３つのコツを紹介しましょう。

特許事務所のホームページを研究する

特許事務所のホームページから色々と分かる情報があります。

• 所員の人数と弁理士の人数

所員や弁理士の人数から特許事務所の規模が分かります。

きちんと定義があるわけではありませんが、おおよその目安は次のとおりです。

事務所の規模	所員数	弁理士数
大規模	100人以上	30人以上
中規模	10～99人	数人～30人
小規模	10人未満	数人

大規模事務所は業務フローや分業体制などがしっかりと整備されており、一般企業に近いイメージです。

部門を細分化している大規模事務所では、分野をまたがってマルチに活躍するというよりも特定分野を追求することになります。

また、新人教育がシステム化されている傾向にありますので、手厚い指導が期待できると思います。

中規模事務所は、働き方の自由が効きつつ、業務フローが整備されているバランスのよい事務所が多いです。

業務拡大している中規模事務所で順調にキャリアを積めば、パートナー（共同経営者）になれたときに大きな見返りが得られます。

小規模事務所は、通常、所長の監督下で業務が行なわれるため、所長の性格が強く反映されます。

就職する場合には所長の考え方とマッチングするか否かが重要です。

小規模事務所は細かく分業されていないため、自分で色々な作業を行わなければなりません。

例えば、図面担当がいない場合、CADなどのソフトを使って自分で図面を作成することになります。

• 勤務地

勤務地を確認するのは当然ですが、注意したいのはオフィスが複数ある場合です。

オフィス間での転勤があるかもしれませんので、求人欄などで確認しておきましょう。

• 所長の挨拶、ブログ

所長の挨拶には所長の考え方が表れています。

所長の存在は事務所規模が小さいほど重要になってきます。

型どおりの挨拶ならクセが少ない、特許戦略や明細書に対するこだわりが強く表れた挨拶ならクセが強い、と言えます。

所長がクセの強い人の場合、共感できる内容かどうか注意してみてください。

挨拶に書いてある内容がよく分からないなら言い回しや言葉遣いで判断しましょう。

何となく威圧感や嫌悪感があるなら、あなたとは相性が悪いかもしれません。

また、所長が運営しているブログがあるなら、所長の人柄を知るために読んでおきましょう。

• 研修制度

語学や海外の実務をしっかりと身につけたいなら、国際会議への参加、海外研修などの研修制度が充実している事務所がおすすめです。

研修制度のある特許事務所のホームページでは、所員のプロフィールに研修履歴が記載されていたり、研修レポートが紹介されていたりします。

弁理士仲間から噂を聞く

すでに弁理士の方は、弁理士仲間から噂を聞くのも有効です。

同期会などに出席すると、ネットに載っていないディープな情報が入って来ることもあります。

転職エージェントを使う

上の２つの方法では、憶測が入っていますし、情報の信ぴょう性が怪しいこともあります。

そこで活用したいのが転職エージェントです。

転職エージェントを利用すると、次のメリットがあります。

• 自分の希望に合った応募先を見つけてもらえる

• 非公開求人にも応募できる

• 転職活動のアドバイスを受けられる

• 応募先との間を仲介して、直接聞きにくい質問や希望などを伝えてもらえる

おすすめなエージェントは、法律系専門職に特化したリーガルジョブボード（登録無料）です。

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