【弁理士試験】口述試験に確実に受かる対策は?【無料練習会情報も】

口述試験対策

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この記事では、弁理士試験の口述式試験の勉強法を解説しています。

口述式試験は、短答式試験・論文式試験と試験形式が大きく異なるため、不安な受験生が多いと思います。

口述試験は合格率が高いだけに、かえってプレッシャーを感じやすい試験です。

自信を持って試験を迎えられるように、万全の対策で臨んでください。

目次

口述式試験の概要

本番で落ち着いて受験するには、試験の内容をよく知っておくことが第一です。

口述式試験の試験科目

試験科目は、論文試験と同様で特許・実用新案法、意匠法、商標法の3科目です。

ただし、3科目に関連する条約 (パリ条約、PCT条約、マドリッドプロトコル) の内容も出題されます。

口述式試験の会場

会場は東京都港区の芝公園内にあるホテル、ザ・プリンス パークタワー東京です。

大江戸線赤羽橋駅から徒歩2分、三田線芝公園駅から徒歩3分の場所にあります。

東京近郊の受験生なら当日移動すればよいですが、地方の受験生は前泊するのが安全です。

ただし、会場の宿泊料金は高め(20,000~30,000円程度)なので、注意してください。

費用を抑えたい方は徒歩圏内のメルパルク東京(素泊まりで7,000円程度)をおすすめします。

早めにチェックインし、会場までの道順を確認しておくと安心感があります。

ちなみに会場の北にある増上寺にお参りする受験生もいます。

私は先輩弁理士から教わり、前日にお参りして合格することができました。

ゲン担ぎしたい方はぜひどうぞ。

口述式試験の形式

口述式試験の形式について試験案内には

面接方式
受験者が各科目の試験室を順次移動する方法により実施する。

引用元:https://www.jpo.go.jp/news/benrishi/shiken-annai.html

と書かれています。

試験室の中で主査と副査が机に並んで座っています。

基本的には主査から口頭で質問がひとつひとつ投げかけられ、解答していきます。

口述式試験の試験時間

試験時間は各科目10分程度とされています。

ただし、10分以内に用意された全ての問題に正答できた場合はその時点で試験終了し、10分経過するまで試験委員と雑談などをして待機します。

反対に全問題に解答し切る前に10分が経過すると試験は終了です。

ただし、もう少しの時間で完答できそうな場合、試験委員の裁量で多少の時間延長があるようです。

法文集の貸与

各試験室には弁理士試験用法文集が置かれており、試験委員の許可を得て参照することができます。

法文集を見たい場合には「法文を参照してもよろしいでしょうか?」と尋ね、許可を得ましょう。

ただし、本を閉じてから解答しなければならないことに注意してください。

参照回数の多さは不合格の原因にならないと言われていますので(受験生の経験則)、分からなければ変に粘るよりも法文集を見るようにした方がよいです。

口述式試験の合格基準

口述試験の合格基準は次のように規定されています。

採点基準をA、B、Cのゾーン方式とし、合格基準はC評価が2つ以上ないこと。

A:答えが良くできている場合
B:答えが普通にできている場合
C:答えが不十分である場合

引用元:https://www.jpo.go.jp/news/benrishi/shiken-annai.html

A、Bの区分はあまり意味がなく、とにかくCを2つ以上取らないことが重要です。

試験時間内に全問題に正答できればB以上の評価と言われています(受験生の経験則)。

途中で解答を訂正したり、法文を参照したりしたとしても解答し切ることが最優先です。

口述試験の合格率

口述試験の合格率の推移は以下のとおりです。

2015年2016年2017年2018年2019年2020年
93.6%93.9%98.4%94.0%95.6%98.6%

いずれの年も90%を超えています。

高い合格率に安心するのか、逆にプレッシャーに感じるのかは人によるでしょう。

ひと昔前は合格率が6~7割の時期もあったと記憶していますが、当時は受験生の数が多く、口述試験で合格者を絞る意図がありました。

現在、弁理士試験の受験者は減少しており、口述試験で合格者を絞る必要がなく、この先も高い合格率が続くと考えられます。

口述式試験の対策

ここからは口述試験の対策を説明していきます。

インプット編

まず、知識のインプットですが、論文試験を突破できた実力があれば基礎力は十分です。

口述試験には、

  • 正確に解答しないと次の問題に進めない
  • 法文集の参照によるタイムロスが大きい
  • 条文の暗唱が求められることがある

といった特徴があり、知識の精度が求められます。

具体的な勉強手段として、独学するか、予備校の口述講座を利用するかの2つがあります。

当サイトでは短答・論文については予備校の利用をおすすめしていますが、口述試験だけは別です。

論文合格の実力があれば予備校の力を借りなくても問題ありません。

市販の書籍で勉強するなら、大手予備校TACが出版している


弁理士試験 口述試験バイブル 第8版

がおすすめです。

なお、TACの口述過去問、


弁理士試験 口述試験過去問題集 2021年度

もありますが、どちらか一冊にするなら口述試験バイブルがよいと思います。

過去問題集では網羅性の低さや問題の重複がデメリットになるからです。

予備校の講座を受けたいという方にはLEC、TACの講座を紹介しておきます。

LEC 口述試験対策講座

TAC 口述重要論点整理

アウトプット編

口述対策では、本番に近い形式でアウトプットの経験を積むことが重要です。

弁理士会会派の口述練習会

弁理士会会派による口述練習会でアウトプットを練習することができます。

会派というのは、弁理士が任意が加入する団体のことで、知財法の勉強、弁理士会の選挙活動、レクリエーションなど様々な活動を行っている組織です。

まだ案内は出ていませんが、口述練習会を開催すると思われる会派は次のとおりです。

ほとんどの会派の練習会は無料で受けられます。

無料になっている理由は入会の勧誘を兼ねているからでしょう。

とは言え、会の雰囲気が気に入った場合だけ入会すればよいですし、入会を無理強いされることはないと思うので、安心して受けてください。

日程・場所の都合が付く範囲で極力受けておくのがよいでしょう。

予備校の口述模試

予備校の口述模試も1回は受けておきたいところです。

LEC 口述模擬試験(通学受験、Zoom受験)

TAC 口述模試(通学受験)

予備校模試は有料ですが、会派の練習会とは異なり、

  • 問題は受験機関が作っているため、質が高く
  • 場数を踏んでいる試験官が担当している

ため、会派の練習会よりも質が高いと言えます。

勉強仲間と練習

練習会・模試は回数が限られているのがネックです。

練習量を稼ぐには勉強仲間と練習することを検討してみてください。

実際に私もスーパーマーケットのフードコーナーで問題を出し合って練習していました。

一人でインプットする時間と、アウトプットの時間をバランスよく行うのがポイントです。

勉強仲間がいないときは、職場の人、家族に協力してもらう手もあります。

しかし、できれば知財の知識がある人の方が誘導やヒントの出し方を心得ているので好ましいです。

解答テクニックを磨く

口述試験には、筆記試験とは異なり、特有のテクニックが必要です。

極端な話、解答の仕方で合否が左右される可能性すらあります。

短く答える

各質問に対してできる限り簡潔な解答を心掛けてください。

例えば、結論だけ問われているのに理由まで先回りして解答しないようにしましょう。

短く答えることで会話がテンポよく進みますし、もし間違っていた場合には早めに軌道修正してもらえます。

誘導には素直に乗る

例えば、試験委員から「間違いありませんか?」などど言われた場合は、本当に間違っていると思ってください。

試験委員に引っ掛けられたという話は聞いたことがありませんので、誘導は正しいという前提で素直に乗っかりましょう。

沈黙しない

何も答えずに沈黙してしまうと、試験委員も助け船を出すことができません。

例えば、条文の趣旨が正確に思い出せない場合には自分の言葉で説明を試みてください。

全く知らないのではなく、思い出せないだけということが伝われば、試験委員の心証は変わってきます。

納得できるまで準備する

最後に精神論になりますが、試験当日まで納得できるまで準備するのがポイントです。

弁理士試験の天王山である論文試験を終えて、多くの受験生が気を抜いてしまいます。

特に「まさか論文合格していると思わなかった」という人は、論文の合格発表までの期間に全く勉強しなかったという事態になりがちです。

間違いなく論文不合格という人以外は少しづつでも口述試験対策を始めた方がよいです。

十分に準備することで「これで落ちたら仕方がない」という余裕が生まれ、よい結果に結びつきやすくなります。

口述試験と転職

もし、弁理士になって転職したいと考えているのであれば、口述試験の前に転職活動を始めることをおすすめします。

口述試験後や合格発表後には転職希望者が増え、競争が激しくなるためです。

「弁理士資格を持っていないと転職しにくいのでは?」と思うかもしれませんが、心配ありません。

論文試験さえ合格していれば、最終合格は時間の問題ですので、転職の場では弁理士とほぼ同等の評価を受けられるはずです。

転職の意思が固まっているなら、少しでも早くスタートを切りましょう。

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